TASSI

HusK

和服の世界で"くり回し"という言葉がある。
当初の姿を作り変えながら新たな用途として使い続け、布の命を最後まで全うすることである。日本には、和服に限らずどんな分野にもこのような視点から創意工夫する文化がある。
しかし、現代社会の大量なモノ・情報に翻弄され、私達は本来人それぞれが持つ多様な視点を持ちづらくなってきた。つまりモノの命を全うする、或いはモノを多角的に見る柔軟さ、誰かからもたらされた情報ではなく自分で感じる心が失われていくことに危機感を覚え、私達の前から消えてゆく電球にその思いを込め、光の"抜け殻[=HusK]"(ハスク)と呼んだ。
私は誰もが知る電球という素材をくり回すことで、形の美しさ・ガラスの薄さ・軽さに気付いた。そして、電球としての役割を終えながらも新しい命が吹き込まれて使い続けられるモノへの愛情に気づくきっかけとなればと考えた。
さらに、その先には人それぞれ固有の価値観を思い出し、当たり前だと思っていた日常から何かを感じとる豊かな心が持てることを願ってこの作品を製作した。
材料:ガラス部 − 電球、脚部 − 樹脂石膏(白)・樹脂(半透明)

Husk 作品画像01

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