HusK Exhibition
HusKを発表した南青山・ギャルリーワッツにおける初個展。この展示では2つのテーマを持って臨んだ。
1つ目のテーマは、電球という誰もが知っているものを別の視点で見た時の面白さを感じてもらうことだった。そのための工夫としては、作品が単調に並ぶだけではなく高低差をつけながら配置することで色々な角度から楽しめるようにした。また、窓際の一群はカーテン越しに入るやわらかな光が、HusKのガラス器部分を透過して輪郭が浮かび上がり、電球の形の美しさを再認識することを意図した。そして、ギャラリー中央にはガラス器部分のみを置いて展示を訪れた人々に手に取ってもらい、ガラスの軽さ・薄さを体感してもらえるように配慮した。
2つ目のテーマは、少ない予算でモノを作ることは一般的には障害となるが、想像力によってそれを克服できることを知ってもらえる展示とすることであった。まずは、自分が茨城県で製作していることの意味を考え直した。茨城県では、伐採された木が放置されている場面に度々出くわす。また、製材所を訪ねると、端材は産廃となるため捨てるのに費用がかかると言う。そこで、都市部では簡単に手に入らない材料が茨城では手に入るメリットを生かし、展示什器は本来廃棄されてしまう材料と建設現場で使われる杭や壁の下地材など、安価な材料で製作した。普段目にしながら気に留めることのない材料でも、工夫次第で人を惹き付けるものが作れることに気づいてもらえる展示となることを目指した。